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業界の革新者 21世紀を担うニューリーダー

楽しい会話、心を尽くしたサービス、そして華やかなステージで、非日常的な雰囲気とひとときを提供しているニューハーフショーパブ『ららつー』。札幌ススキノで繁栄を続けている同店を経営する成田社長に、独自の人材育成、経営方針などについてうかがった。

聞き手:ビズニーズ コンテンツプロデューサー小島

成田文宏 Fumihiro Narita (つらら)
愛知県出身。地元の大学を中退し、東京の美容師専門学校に進学。美容室勤務を経て、 1979 年に札幌ススキノのショーパブ「ピーターパン」入店する。 1987 年に独立して旭川で「ピーターパン 2 」の経営に着手し、 1992 年札幌ススキノに戻って「ららつう伍」を開店。その後、ショーパブにとどまらずレストラン業も展開し、 2004 年には日本屈指の規模を誇る「ららつー」をオープン。有限会社プランニングオフィスナリタ、有限会社ホウメイカンパニーの代表取締役を務める。
住所:札幌市中央区南5条西2丁目サイバーシティビル5F
TEL:011-512-7000(予約専用)
011-533-7220(問合せ専用)
営業時間:20:00~
定休:日曜
URL http://www.lalatoo.com/
 
1 ショーにこだわって明朗会計のシステム
2 きっかけはお客さまのひとこと
3 チャンスと気づきを与えて成長を促す
4 ルールをやぶるなら、新たなルールを
5 編集後記
 
1 ショーにこだわって明朗会計のシステム  
 美しいキャストと華やかなステージ、そして軽快で愉快な会話に引き込まれ、不思議で心地よいひとときに魅了されてしまうニューハーフのショーパブ。しかしながら、そんな情報は耳に入っても、きっかけがないと足を運びにくい場所でもある。

そこで飲み放題にショーがセットになって5000円以下という明朗会計のサービスプランを展開しているのが『ららつー』。いまでこそさまざまなサービスプランを設けているショーパブも多いが、『ららつー』の経営者である成田社長は25年以上も前にそれを実践していた。

「もともと芸事や踊りに興味があって、この世界に飛び込んだところがあるので、ショーは必ず1日2回することを決めていました。独立してすぐに旭川で開店したとき、3500円で飲み放題とショーをセットにしたところ評判となって、お客様の行列ができることもありました。明朗会計なシステムは、お客さまが足を運ぶきっかけになることを確信し、5年後札幌に戻って『ららつう伍』を開店しました」

最初は12坪の店から始まったという。5年を一区切りに、店舗面積も売り上げも倍増していき、現在は180坪もの広さのあるショーパブとなった。
 
2 きっかけはお客さまのひとこと
 ひとりでステージの振り付けや演出を担い、ショーの司会進行までしていた成田社長。ショーを盛り上げるために、合いの手やチャチャを入れていたが、あるときお客さまに「確かにおもしろいけど、みんなの成長を邪魔している」と言われたことがあったという。 「最初は受け入れられずにいました。わたしがこの店を持ち、わたしがこの店の社長で、わたしがこの店のすべてという感覚があったから。でも、時間がたつにつれて、いいことは取り入れる柔軟さが大切だと思うようになりました。オリジナルは自己満足になる危険性もあります。わたしが前面に出ることで盛り上がる仕事は、わたしの気力や体力で左右されてしまうことにもなる。」

これはステージに限らず、経営にもいえることだ。経営者のカリスマ性やリーダーシップは魅力でもあるが、ワンマンにも陥りやすい。  お客さまのひとことがきっかけに、ショーにはプロの振り付け師をつけ、よいこと、おもしろいことの提案はどんどん導入していった。それが功を奏して、出店数を増やすことにつながった。

長きにわたって札幌随一、いや日本屈指のショーパブを営んでいる成田社長。あるとき「自分の目標は儲けることなのか」と疑問に感じたという。  「自分の思いを突き詰めたとき、儲けることではなく、日本一のショーパブにしようとする自分の欲求・目標を満たすことだと気づきました。でも、ひとりでは実現するのではなく、スタッフとともに実現することに意味がある」

そこで成田社長は、日本一のお店(器)は用意できると。そこで自らステージの設計に着手し、最高のステージをつくり、スタッフにプレゼントした。
 
 
3 チャンスと気づきを与えて成長を促す
 個性豊かなスタッフが揃う『ららつー』だが、新規人材の面接・採用は従業員に任せているという。しかも、基本的に来るもの拒まずぐらいに、入り口は大きくしているという。

「ほかの業界と違って、ニューハーフであることを自覚し、この仕事に就きたい人はある程度の覚悟があるんですね。その気持ちや可能性は大切にしてあげたい。でも、褒めたりはしませんけど」

しかも、こうしたらもっと伸びる、これやると仕事が上手くなるという基本以外は3回ぐらいしか言わないと。ただし、人として大切なことは、相手が理解して、実践するまで何度も言い続けるという。「あんまりしつこく言うものだからノイローゼになるコもいるわ」と言うが、それは成田社長の愛情であり、スタッフを成長させることを重視しているといえる。

また、自分で考えて、動くことで、いい仕事ができるため、考えるヒントと気づくきっかけを与えるようにしているそうだ。  「インフルエンザの流行が懸念されていますが、多くのお客さまがいらっしゃる当店も同じ。さまざまな方法で予防に努めています。これはスタッフやお客さまがインフルエンザになることを防止するのはもちろんですが、せっかくショーを見に来ていただいているお客様や、ショーにやりがいを感じているスタッフにつらい思いをして欲しくないから。そんな思い、理由を伝えることで、インフルエンザ予防に取り組んでもらえる」

インフルエンザ予防に限らず、結果をもたらす方法を提示するのではなく、なぜそうして欲しいのかスタッフに伝えることで、考え、動くきっかけとなるはずだ。
4 ルールをやぶるなら、新たなルールを
 サービス業に限らず「少々お待ちください」という言葉はよく耳にする。しかし、これは「ちょっと待ってね」ということで軽い婉曲な命令でもある。そこで同店では「はいただいま」「すぐに」という肯定をするように心がけているそうだ。どうしても時間がかかる場合は「申し訳ありません。お時間ください」と謝るという。

「ショーパブ業界では、辛口というか否定形の会話が多く見受けられました。それをおもしろく感じる人もいると同時に、不快に思う人もいるはず。そこで否定形の会話ではなく、肯定形で会話するようにしました」

この業界の常識を否定する試みでもあった。これは成田社長のいまある常識を否定し、あらゆる方向から吟味・研究するという姿勢の表れだ。  さらに、「ルールは破ってもいい」という斬新な発言も。「そもそも、現在ある同店のルールは、わたしがつくったもの。ちゃんとした理由と意味があって、やぶるなら尊重したいと思っています。でも、ノールールというわけにはいきませんから、ルールを破るなら、新しいルールを提案するように言ってます」

スタッフの意見と個性を尊重するのは、大切だとわかっていても簡単ではない。しかも、ルールといえば規則でもあるが、それさえも変えてしまう柔軟さ。企業経営者にとっては見習うべきことが多いのではないだろうか。
 
 

 
 
過去の記事

3月掲載 「酒井俊樹氏
5月掲載 「石女史

 

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